訪問介護を使って良くなった例をいくつかご紹介したいと思います。

生活に対して自身の意欲が出た実例
脳梗塞により、左片麻痺をお持ちの50代の女性の方の実例をご紹介したいと思います。
利用当初は生活援助で、調理と掃除で入っていましたが、少しずつご利用者も参加されるようになり、ヘルパーがいない時でも自身で調理をしたり、掃除機かけも出来るようになりました。
この方の場合は「どのようにすれば片手でも出来るか」を一緒に考えたり提案したり、練習をおこないました。
例えば、片手でも食材を切る事が出来るように、食材をまな板の上で固定し、切る事のできる、釘の付いたまな板の提案をしたりする事で、可能性を広げる事に繋がりました。
出来る事が増えると、調理にも意欲的に取り組む事ができるようになり、生活そのものにも意欲がでてきました。
このように、時間内でサービスを行って終わりでは無く、「出来る事を引き出す」視点を持つ事で、良い方向に向かう場合もあります。
介助者の負担・不安の軽減が出来た実例
次にご紹介する方は、パーキンソン病をお持ちの80代の男性の実例です。
この方は、80代の奥様と同居されておられました。
介助者である奥様も高齢の為、ご本人様の介助が出来なくなってきたとの事で依頼がありました。
最初は、奥様がデイサービスの準備や、送り出しや迎え入れが出来なくなった為、デイサービスの利用を辞めたいとおっしゃっておられました。
デイサービスを辞めてしまうと、下肢筋力が低下し、更に歩けなくなるのは目に見えていますが、奥様は、訪問介護を使うという事にとても抵抗があるようでした。
試しに少しの間訪問介護を使い、デイサービスも継続しようという事で、利用開始となりました。
利用し始めた頃は疲れが見え、暗い顔をしておられましたが、日が経つにつれ笑顔が多く見られるようになりました。
「もうヘルパーさん無しでは無理です。いつもありがとうね。」とおっしゃって下さるようになりました。
このように、デイサービスを継続する事が出来、ご本人様にとってはもちろん、介助者の負担や不安を軽減する事が出来た実例です。
生活にメリハリがついた実例
最後の方は脳梗塞で左片麻痺をお持ちの50代男性の実例です。
この方は以前アルコール中毒で入院をされておられました。
訪問介護を利用する前は朝からお酒を飲み、室内も荒れていました。
訪問介護が入るようになってからは、徐々にご自身の中で、「今日はヘルパーさんが来るからちゃんとしておかないと」という気持ちが出てきたのか、ご自身で、訪問前に洗濯をまわして下さるようになりました。
訪問介護は自立を促すものですので、「自分で出来る事は自分でおこなう」という事を念頭に置き、関わる事が大切だと思われます。
上記の事例ではそのようなことを念頭に置いて関わっているので非常に効果的なかかわりが出来ていると言えます。