寝台浴の際に気を付けること

家族の看護
2017.01.10
寝台浴の際に気を付けること

寝たきりの高齢者に対する入浴介助は寝台浴槽で行う場合があります。寝台浴槽とは、寝たままの状態で入浴することができる浴槽で、介護が必要な高齢者の負担を軽減することができます。また、介護者も機械を使用しての介護となるため、一般浴に比べ身体的負担が軽減されることも特徴の一つとなります。

ここでは、寝台浴槽での入浴時に気を付けたいポイントについて、ご紹介いたします。

湯船に入る前に、身体に浴槽のお湯をかける

寝台浴槽の場合、高齢者自体が見えない状態で湯船に入ることが多く、突然の湯船に驚く高齢者もいます。そのため、お湯の温度などを高齢者が確認するためにも、湯船に入る前に湯船の上で身体にお湯をかけることが重要です。現在のお湯の温度はこれくらいということを把握してもらい、安心して湯船に浸かってもらいましょう。また、湯船の温度が熱すぎる場合には、無理してそのまま湯船に浸けるのではなく、温度を少しずつ下げ高齢者に合った温度に調整しましょう。

入浴時に、全身の状態をチェックする

寝台浴槽で入浴する高齢者は、自身の身体調整を行うことが難しいことが多く、入浴中に体調不良を起こすこともあります。そのため、常に高齢者の顔色、全身状態をチェックし、身体変化を確認することが重要です。

特に、自分で訴えることができない高齢者などに対しては、皮膚の色や呼吸状況などを把握し、看護師と一緒に入浴介助を行うことをお勧めします。また、入浴は全身状態を把握する、絶好のチャンスとなります。そのため、普段見ることができない全身状態を、入浴を通して確認し、褥瘡等がないか確認することも重要です。

入浴後はすぐにバスタオル等で全身を包む

寝台浴槽での入浴後に高齢者が湯冷めを起こし風邪を引くことは、命取りとなることがあります。そのため、湯冷めをしないよう、入浴後はすぐに全身をバスタオルで覆いましょう。

寝台浴槽から上がった後、温度差によって体調を崩すこともあるため、室温にも十分注意をすることが重要となります。また、タオルで全身を拭く際には、ゴシゴシと強く拭くと高齢者の皮膚を損傷してしまうことがあります。そのため、優しく上から押すようなイメージで、水分をふき取り汗を抑えていくことも重要となります。高齢者の皮膚はとても弱く、ちょっとした刺激で損傷しやすい一方で傷ができた場合には治りが遅いです。そのため、入浴後も丁寧に全身をくまなく拭くことは重要なポイントとなります。