介護の世界にハマってしまった体験談

家族の看護
2016.07.22

「介護の世界」と聞くと、どのようなことを思い浮かべるでしょうか。

よく言われるのが、汚い・辛い・安いなどということで、良い言葉はあまり聴きません。しかし、介護の世界には介護の世界にいる人にしかわからないことがあり、だからこそ辞めないで働き続けている介護士がいると言うことを理解していただきたいです。

介護の世界にハマってしまった、体験談をご紹介いたします。

介護の世界にハマってしまった体験談

高齢者の「ありがとう」がたまらない

SNSの普及に伴い、人とのコミュニケーションが希薄となっています。しかし、言葉と言葉でのコミュニケーションをとるということはとても重要であり、高齢者介護では言葉と言葉で関わることが多いです。
また、介護者の機嫌が悪ければ高齢者に伝わり、高齢者の機嫌も悪くなります。

このような状態を見て、介護者は自分の振る舞いを、気をつけなければと感じ、優しく接するようになります。優しく接することで、高齢者は優しさやうれしさが芽生え「ありがとう」と言う気持ちを、介護者に伝えることが良くあります。

この言葉がたまらなくうれしく、介護者は介護の世界にどんどんハマっていきます。

誰かの役に立つということ

「人の役に立つ仕事がしたい」と考え、将来何になるか考えている学生も少なくありません。「人の役に立つ」とは、簡単なようで難しいことです。
中でも、介護の世界においては、人の役に立ちたいと思ってはじめても、嫌なことばかりで早期退職者は後を絶ちません。
それでも、高齢者やその家族の心境の変化等で、介護者は介護の世界にハマっていきます。

例えば、胃ろうの高齢者に対し、家族は「大好きな饅頭を食べさせたい。」と言うことがあります。
そこで、介護士・看護師・リハビリスタッフ・医師などの他職種で連携を図り、何とか一口でも食べることができないか、アセスメントを繰り返し食べる訓練を行います。何日か経過してから、胃ろうの高齢者が饅頭を一口食べその姿を見た家族が涙した時、介護者としてとてもうれしい瞬間となります。

様々な角度から、様々な職種が連携し合い、高齢者への介護を実施で来た時、それが「誰かの役に立つ」と言う実感隣、介護の世界にハマって行く瞬間となります。

介護は他の理解が必要

介護の世界で働けば働くほど、介護の世界にハマってしまい、他の世界で働くことを考えられなくなります。確かに、介護の世界は辛く苦しいこともあり、介護保険制度の改正などに伴い、ますます介護の現場は大変になります。
それでも、高齢者の笑顔や言葉、家族の思いに応えることなどは、介護者にとってとても有効な時間です。

このように、介護の世界には介護の世界なりの楽しみがあり、有意義な時間があるということをもっと周囲が理解することが重要と言えます。