認知症の方をケアするためのポイント

家族の看護
2016.07.29

認知症の方はここ数年増加してきており、今後も増えると予想されています。
ここでは、認知症の方をケアする際のポイントをいくつかご紹介したいと思います。

認知症の方をケアするためのポイント

否定せず、受け入れましょう

認知症の方は時にはこちらが理解出来ない言動をする事があります。そのような時、どうしても怒ったり、否定しまいがちです。
ですが、認知症の方も嘘をつこうと思って言ったり、困らせようという意図がある訳ではありません。短期記憶が出来ない場合、ついさっきの事を忘れてしまいます。

よく、「何回言ったらわかるのか」「さっき言ったでしょう」と怒る介助者を目にしますが、ご本人にとっては記憶に無い為、どうして怒られるのか理解が出来ない事でしょう。物事は忘れても感情は残りますので、怒られて嫌な気持ちは残ります。

介助者は少し忍耐が必要かも知れませんが、なるべく否定せず、怒らず、ご本人を受容しご本人の思いに寄り添うよう心がけましょう。

本人が出来る事を見つけ、自信を持てる場面を多く作りましょう

認知症になったからといって、全て出来なくなってしまう訳ではありません。
認知症の進行の度合いにもよりますが、昔の事はよく覚えていたり、昔からしてきた事は自然と出来る場合が多くあります。

例えば料理を例に挙げると、火の使い方はわからなくても、何の食材を入れるか、どのように作るかは覚えておられる事もあるでしょう。男性の場合でしたら、囲碁や将棋等の仕方を覚えていたりする場合もあるでしょう。
男女共通のことであれば、昔の歌が流れると、口ずさんだりされる事もあるかと思われます。又、好きな事をしている時等はご本人も気分が良く安心する為、穏やかな良い表情をされておられる事でしょう。認知症だから、何も出来ないだろうと決めてしまわず、ご本人の好きな事、得意な事を見つけ自信を持つ事の出来る場面を多く作りましょう。先にも述べましたが、物事は忘れても感情は残りますので、嬉しい事や気分の良い事も残ります。

混乱しそうな事は早めに察知し、先回りしましょう

認知症になると、新しい記憶が出来にくくなったり、場所や時間等がわからなくなる事があります。
例えば、トイレの場所がある日突然わからなくなったり、口頭で伝えるだけは理解が出来にくくなる場合があります。そのような場合はトイレの場所を分かりやすいように工夫したりしましょう。

口頭だけでは理解ができにくいようであれば紙に書いておく等の工夫をしましょう。

このように、ご本人がどうしたら良いのかわからなくなって混乱してしまう前に、道筋をつけて導いていく事も大切な関わりでしょう。