介護が必要な高齢者に対しては介護保険制度があります。介護保険制度を利用することで、高齢者が過ごしやすい環境を提供することになります。
しかし、介護が必要な高齢者は、一人で生活することが難しくなることが多くあります。そのため、介護度によっては施設での生活をしている高齢者も多いですが、現実として在宅で生活している高齢者が増加しています。
在宅で高齢者が生活をするということは、高齢者を支えている家族がいて、その家族を周囲が支えていくことが大切となります。
本人だけではなく家族を支える大切さについて、ご紹介いたします。

介護は先が見えない苦しさがある
末期がんなどの場合、主治医より「あとどれくらいの命です」という余命宣告を受けることがあります。しかし、介護が必要な高齢者に対して余命宣告をされることはありません。
一方で認知症は進行しADLは低下していくため、介護度はどんどん増していきます。
超高齢化社会に伴い在宅介護が中心となるにつれて、在宅で介護をしている家族にとっては介護がいつまで続くのか、先の見えない苦しさが増してしまうことがあります。
このような家族に対し、周囲がサポートを行うことがとても大切となります。
制度を活用してリフレッシュを促す
在宅で介護をしている家族の中には、被介護者に対しできる限り自力でがんばりたいという思いから、デイサービスや訪問介護、ショートステイなどの介護保険制度の利用を拒む方もいます。しかし、24時間365日介護を行うことは、とても大変なことであり、心身ともに疲弊してしまいます。
そのため、周囲やケアマネージャーなどは家族に対し、できる限り制度を活用することを促すことが重要となります。
一日でも、一時間でも被介護者と離れる時間を作ることで、「またがんばろう」と前向きな姿勢を持つことができます。
一人で抱えている家族が多い
主介護者は、一人で高齢者の事を抱えていることが多く、相談することができないでいることもあります。
また、何をどのように誰に相談することが良いのかわからず、ただひたすら日々を過ごしていることも少なくありません。
そのため、一人で介護問題を抱えず、周囲に相談してよいことを伝え、できる限り話を聴いてあげることが重要となります。
そこで、何が必要なのかどうすることが良いのか、一緒に考えていくことも重要となります。
ストレスを軽減するケア
介護が必要な高齢者は、今までと同じ生活ができず、苦しんでいます。その苦しみと同時に、介護をしている家族も、同じように苦しみ生きづらさを感じています。
そのため、家族が継続的に在宅介護を行うためにも、一人になる時間やリフレッシュする時間を作ることが重要です。
また、一人で抱えず周囲に相談することも重要であり、人に話すことは決して悪いことではないと言うことを、家族に伝えていくことが重要となります。