
超高齢化社会の我が国において、認知症高齢者が一人暮らしをしているケースや、認認介護をしている家庭も増加しています。さらに、様々な詐欺が増加しており、騙されてしまう高齢者も増加しています。「いつか自分の親が被害に遭うかもしれない」と危惧してはいても、同居することが難しい場合があるのも現実ではないでしょうか。
ここでは、認知症の親が詐欺被害に遭わないためにしておきたいことについて、ご紹介いたします。
固定電話には相手の電話番号が出るようにする
携帯電話が普及している今日では固定電話を設置していない家が増加していますが、高齢者の家の多くは固定電話があります。携帯電話のように、常に相手の番号がわかればよいのですが、固定電話は相手の番号がわからないこともあるため、被害に遭う可能性が高くなってしまいます。
固定電話は契約内容によって、相手の連絡先が分かるようにできていますので、着信相手の電話番号が出るように設定を行い、非通知の電話は繋がらないように契約を変更することもひとつの防犯対策になるでしょう。
週に数回連絡を取り、安否確認を行う
働き盛りの子供が、親と連絡を取ることが簡単でない場合もあるでしょう。そのようなケースで、コミュニケーション不足がひとつの原因となって高齢者が騙されてしまうということもあります。認知症の親が悪質な詐欺に騙されないためにも、週に2~3回、数分で良いので、高齢者と連絡を取ることも重要です。
詐欺の相手は、「風邪を引いた」などと言い、高齢者に息子や娘を装い連絡をしてきます。日常的にコミュニケーションをとっていれば、本当に風邪を引いているのかどうかもわかることもあります。そのため、電話だけでも良いので、こまめにコミュニケーションを図り、安否確認を行うと良いでしょう。
可能であれば、通帳の残高を家族も知っておく
親の家と距離が近い場合や、月に1回または年に数回でも親と会っているのであれば、親の通帳を確認しておくことも可能でしょう。その際には、親と通帳の残高を一緒に確認を行い、老後の資金などを話し合うことも重要です。
これは、お金に対しての高齢者の意識を高め、今後どのように使用するのかということを理解してもらうという目的があります。認知症であったとしても、高齢者はお金に対しての理解が乏しくなるのは、在宅生活が厳しくなったときです。そのため、在宅生活を継続して行える状況であるならば、高齢者のお金管理についてもしっかり話し合いを行い、一緒に管理していくことも重要となります。