
多くの介護士が腰痛に悩まされています。腰痛はひどくなるとヘルニアとなり、その場合手術が必要となります。また、放っておくと歩けなくなってしまうこともあり、介護していたはずの介護士が介護を必要とする状態という事態に繋がってしまうこともあります。そのため、普段の介護時の動作を見直し、腰痛にならないための予防方法を取り入れていくことが重要となります。
腰痛にならないための介護方法について、ご紹介いたします。
腰を曲げるのではなく膝を曲げる
高齢者をケアするときに限らず、ちょっとした動作を腰を曲げて行ってしまうことがあるかと思います。「すぐ終わるから」「軽いから」などと短絡的に考え、あるいは考えもなく腰を曲げて動作を行うと、それが結果として腰痛につながることがあります。
簡単な作業をいちいち膝を曲げて行うことは面倒くさいかもしれません。しかし、その積み重ねが腰痛になるということを理解し、どのような動作においても、腰ではなく膝を曲げて行うよう心掛けていくことが重要となります。
コルセットを使用し、腰を固定する
勤務時間が長時間に渡る場合や腰を使う動作が多い日などには、初めからコルセットなどを使用することも有効です。コルセットは腰を固定することができるため、腰に掛かる負担を軽減することができます。また、コルセットを使用することにより、力任せに介護を行うことを軽減することもできます。しかし、コルセットを日常的に使用してしまうと、腰の筋力低下に陥ることもあるため、重労働のときにコルセットを使用することをお勧めします。
一人ではなく、二人以上でケアを行う
高齢者のケアを行う中で、高齢者の体形も様々となります。10人いれば10通りの体形があり、体重が軽い人も重たい人もいます。重たい人に対しては、初めから二人以上での介護を行うことが多く、一人当たりの負担は軽減されます。
逆に、軽い人に対するケアの際、一人で大丈夫と思い一人で行うと、腰を痛めてしまうことがあります。介護は「持つ」ということが介護ではなく、「移動する」ということが介護です。そのため、軽い人に対し「持つ」ことは簡単かもしれませんが、安全に「移動する」ということになると、介護士自体にも緊張感があります。その結果として、腰に無理な負担がかかり、腰痛となることがあります。そのため、どのような利用者に対しても、二人以上でケアを行うことが、腰痛にならないための介護では重要なことになります。