病院の介護職と施設の介護職の違いとは?

訪問看護師
2017.01.05
病院の介護職と施設の介護職の違いとは?

介護職として勤務するにあたって、施設で勤務することを考えている方が多いと思います。一方で、高齢化社会の現在では病院でも介護職員が求められています。しかし、病院で勤務する介護士は何をするのか、介護士は何を求められているのかわからない方も多いのではないでしょうか。ここでは、病院の介護職と施設の介護職の違いについて、ご紹介いたします。

病院で求められているのは、看護師の介護業務削減

病院で介護職が必要な理由の一つとして、看護職員の業務負担を軽減することが挙げられます。

高齢者が増加している今日において、入院している方の半数以上が高齢者となっていることもあります。その高齢者が、要介護状態となっていると、おむつ交換や食事の介助などが必要になります。

医療が必要な現場で、介護に要する時間が看護師の負担となってしまっている場合も少なくありません。その負担を軽減するために、おむつ交換や食事の介助など、介護全般を介護職員に委託することにより、看護師が医療に集中することができるのです。そのため、病院で働く介護職は、あくまでも看護師の負担軽減のために働いているといっても過言ではありません。

施設で求められるのは、高齢者への介護全般

施設での介護職員の仕事は、介護全般を行い、高齢者が安心して安全な生活を送ることができるよう支援することになります。そのため、介護士としてどうすることが良いのか、高齢者に対しどのようなケアを行うことが良いのか、介護士が中心となり他医療職と連携を図り実践していくことになります。

施設にとって介護職はなくてはならない存在で、介護職員がいるからこそ施設が成り立っているといっても過言ではありません。そのため、施設で勤務する介護職は誰かの代わりに何かをするというわけではありません。

病院と施設での介護に対する考え方の違い

病院で働く介護職と施設で働く介護職は、同じ介護職でも働き方や考え方が違います。これは、そもそも介護というものの考え方が、病院と施設では違うからです。病院は、あくまでも病気を治療し治ったら自宅または施設へ帰る、そのための治療を行う場となります。逆に施設の場合、病気を治すのではなく、今の生活をいかに継続して行うことができるのかということを、考えていく場となります。

同じ介護職であっても、治療の一環として関わる介護と、生活の一環として関わる介護は性質が異なります。そのため、そもそも介護への考え方が違う分、介護職の在り方も違うことを理解しておくことが重要となります。